ロフトに続く階段をのぼっていると、自分がジョン・レノンに変身していた。階段は複数組み合わさり、あみだくじのようになっていて、先が見えないほど長い。
しばらくすると、私とジョンはそれぞれ分かれて、私がはしごをのぼるジョンをみているアングルにかわる。
昭和によくみたアナウンサー(名前が思い出せない)が、それを実況している。いつの間にか場面は屋外にかわっている。
はしごはグラグラして今にも崩れそうだが、ジョンは気にせず、はしごのまわりを回ったり手を片方離したり、曲芸のようなことをはじめ、地上では歓声が沸き起こった。
頂上にたどり着いたジョンは(そこには何も無い)、はしごの先端につかまり出初式のように逆立ちをすると、あたりはさらに大きな声と拍手につつまれる。彼は明るく照らされ、キリストのように見える。おそらくそれを意識した演出なんだろうなと私は思う。
解説席の女が不機嫌そうに「ジョンはああいうアクロバットをするプロではないのだから、危険極まりない。1人で危険なことをしているのならまだしも、みんなが煽るのはどうかと思うし、もし事故が起こったら共犯じゃないですか」とアナウンサーに低い声でいった。