暗いプールに、私含めて5人が閉じ込められている。ドライブの途中で池に車がおちて、なぜか全員プールにたどり着いたのだ。
プールの中には乗っていた車が沈んでいる。みんなプールサイドで立っているのだけど、そこも腰まで水がきていて身動きがほとんど取れずにいる。建物の広さもよくわからないほど暗く、これから水位が上がってくるかもしれないし、もっと寒くならない保証もない。
突然、若い女が意を決したようにプールへとびこんで潜り込む。彼女はなかの車を探しだそうとしているようだ。ここで視点がその女の人のものになる。彼女(と私。共同作業のようでもあり、合体してやっているようでもあった)は足に車の存在を感じ、それを頼りに潜って窓ガラスのあいた部分に手をいれて、一気に車体をひきずりあげ、プールサイドに、まな板の水を切るときのように縦向けにたてかけた。
彼女は車をかけあがり、高い場所にある窓から建物の外へ脱出した。そのとき視点は建物内の自分に戻った。

長い時間がたって次にきがつくと、プールの中には私ともう1人だけになっていた。他の人達はどうしたのだろうと不思議に思い、プールサイドを歩く。ドアがあり、押すと普通に開いた。
外にでて建物の外観をながめると、それは意外なほど小さかった。近くに民家をみつけ進むと、家の住人の外国人(ラテン系で体格が良い男)が現れ「みんな家の中にいますよ。はやく入って入って」と微笑みながら言う。

どうやら我々は車庫に閉じ込められていたらしい。
家の中は暖かく、料理もたくさん用意されていて、パーティーの雰囲気。住人は全員外国人で、格闘家のような体をしている。
助けてもらったお礼にもう2度と水没しないよう、車庫を家の屋上につくるお金を出し合いましょう。と誰かが提案し、私もそれに同意する。

全員でリビングに集まり、家主がカラオケで歌をうたう。「さんじょうのミルフィーユ」という歌詞がでてくる歌で、3畳もあるお菓子なんてあるのかな、変な歌だな、と思っていたけど、どうやら「三条通りにあるお店のミルフィーユ」という意味らしいとわかる。そういえばイントロでなんか和楽器が鳴っていた。