祖父、父、母、兄と神社にきている。初詣のようなのだけど、緑が生い茂っていて、季節は初夏くらいな感じ。
境内はひどく混んでいていて本殿にたどり着くまでに急勾配の石段をのぼらなくてはならない。足元のしっかりしない場所で人が飽和しかけている。これでは上の人がちょっとコケてしまったくらいでもドミノ倒しが簡単に起きてしまうだろう。と、不安になるが家族は先に行ってしまって、皆平然としている。
私は石段の右に手すりが付いていることをみつけ、端の列に並んだ。いざ入ってみると予想以上の急勾配であり、石段はほとんど壁のようにみえる。手すりにつかまりながら頂上にたどり着くとすぐに賽銭箱に小銭(50円玉2枚)を投げいれた。
と、後ろから「ちがうぞー」という声がする。よくみると賽銭箱の横に募金箱のようなものを持った神主がたっていて、そちらにいれるシステムだとのこと。賽銭箱にいれたお金は地下深くにおちてしまい取り出せなくなったので、苦肉の策でそうしているそうだった。地中に消えるってそれこそ神様に届いてる感じだし気分としてはいいけどな。と私は思ったが、でも取り出せないのはやはり気の毒だし、神社もやっていけないだろうから、やっぱりまずいことをしたわけかな、うーん…と複雑な気分で石段をおりた。