近所に住む女の子に家にいくと、玄関までにとても長い階段がある。薄いピンク色で、幅はあるが、急勾配かつ段がとても浅いので足をかけるのが難しい。シリコンっぽい素材感で、それは階段と言うよりは前衛芸術家が気合をいれてつくった遊具のようにみえる。
助走をつけ階段の中腹までかけあがり、ロッククライミングのように手もつかいながら這い上がろうとするが、途中で足がはずれ、滑り台のようにつるつると一番下までおちてしまう。2度目も同じように飛び込むが失敗。3度目向かおうとしたところで、ミスチルの新曲(新曲というのはわかるけど知らないので適当なメロディだった)が流れる。大仰なうたいかたで、人を励ますような歌詞なのだけど、それが私にはバカバカしく感じられる。曲がバカバカしいというわけじゃなく、それと状況との組み合わせが。
3度目もはたして同じように跳ね返され、諦めようかなと迷ってると、それを見ていた中年女性(自転車をおしていた)が「その女の人なら引っ越したよ」と教えてくれた。
頭の中に、屋根の上に座る(過去に見た。と私が思っている)その女の子が現れ、標準服のような服が風にゆれていた。私は彼女が好きだったことを思い知って、もうその姿がみれないことを残念だと思う。

(感想)おそろしく急な階段が登れそうで登れない、っていう状況は夢によく現れて、その時に思うのは「こんな設計の階段おかしくないか」ということなんですが、たいていは自分の能力が足りないんだなと納得してしまいます。他の人が自分をどんどん抜いていって、のび太のように情けない感じでおいつこうとする、という状況もしばしば。で、到達することもあれば、別な道を探すこともあれば、諦めて引き返すこともある。
あと「誰かの家にいくが、彼はもういなかった」っていう夢もときどきみる。それを教えてくれるのはなぜかいつも私より年上の人。というわけで今日の夢は、きつい階段と友人の不在、という2つの個人的な類型が重なった夢でした。