知らない人の家で焼肉を食べる夢。
私を含めて5人か6人、ホットプレートを囲んで座っている。ホットプレートの真ん中には鳥のおもちゃみたいなものが置かれていて、その家の母親と思われる人が、長いはしで押しすべらせ、私の目の前にやる。よくできた玩具にみえていたそれは、近くに来てみると本物のフクロウで、しかもまだ生きていた。フクロウは背中の筋肉を動かして飛ぼうとしているのだけど、羽毛をすべて失っていているので体は鉄板にはりついたままだ。私はそれを残酷で悪趣味だと感じるが、この家にはこの家の流儀があるのだろうから、そう感じること自体に間違いがあるのかもしれない、と理性では考えるがやはり気味が悪い。
やがて野菜が焼けあがりだしてきて、いい匂いが漂う。私の目の前、フクロウの横には、分厚いワカメがあり、それを勧められたので小皿にとると、ワカメの裏には2つの、10円玉ほどの大きさの目がついていた。口にいれて噛めばその部分だけなまこに似たコリコリ感がある。
左に座っていた若い息子が「そろそろ肉を焼こう」と言い、すべての肉をホットプレートに並べ入れた。それが完了した瞬間、だれかがお湯を流し入れ、肉は水に使ってしまう。「これだと焼肉っていうよりしゃぶしゃぶみたいですね」と私がいうと、まわりが急に静かになった。言葉にはでないが、我々家族は彼から奇妙にうつるのだろうか、恥ずかしいな、というような、お互いがいたたまれなくなる感じ。余計なことを言ってしまったと私は反省し、もう2度と口出ししないように決めた。
肉をあらかた食い終わると、まだ水気の残ったホットプレートに、娘の手によってコンソメ味のポテトチップスと大量のベビースターラーメンが投入される。