更衣室で水着に着替えドアを開けると、目の前には洪水に沈んだ町が広がっていた。私はモーターボートに乗り、進んでいくと塀の上にはたくさんの幽霊が立っていた。1人の乗客が「幽霊なんてものは存在しない」と主張したので、私は「ではそこにたむろしている者達が見えないのですか?」と反論した。けれど相手は折れる様子がない。そのうちに私たちは議論に飽きて言葉を探すのをやめた。ゆっくりとボートは塀に近づいて、コツンと音を立てて接触した。私は塀を見上げ、幽霊の1人に右手を伸ばし、そいつと握手を交わした。