古本屋にて、8つのカーストが存在する空想世界をまとめた画集をみている。シリーズは全8巻あり、巻ごとにひとつのカーストに絞った絵が載っているらしい。私の手にしているのは第1巻で、下層とされている人々の生活が描かれている。つまりまだあと7つの世界があるわけだ。

そのシリーズは、ある人物が旅をし、たいへんな歳月をかけて古代のさまざまな絵を蒐集した、という設定のメタフィクションで、だから画風は統一されていない。

 

それが出版されたのは中世前期のことで、2巻以降は散逸しまだ発見されていない。と解説に書かれている。けれど本の性質上その枠組みもフィクションかもしれないなと疑っていたら「ほとんどトマトの絵だけのもあったらしいよ」と本屋の主人が教えてくれて、トマトがいっぱい入った箱をイメージしているところで目が覚めた。